初心者のためのネット株入門

株主優待取得条件をチェック

株主優待取得

株主優待を取得するにはいくつかの条件があります。まず1つ目は権利日に現物株を持ち越して権利を獲得する必要があります。2つ目はそれが株主優待を獲得するのに必要な株数であること、最後に3つ目は株の連続保有期間の条件があればそれを満たしていることがあります。

必要な条件を満たしていないと株主優待を得ることはできないので、よく理解しておきましょう。



現物株と権利日

株主優待の権利を獲得するには現物株を権利日に持ち越す必要があります。具体的にどうすればいいのかを説明すると以下のようになります。


「現物買い」で株を買う

「現物買い」とは自分のお金で株を買うことで、現物で株を保有することによって株主権利が発生します。それに対して「信用買い」とは自分のお金を証拠金として証券会社からお金を借りて株を買うことで、信用買いで買った株に株主の権利はありません。なので信用買いだと株主優待はもらえませんので注意してください。


権利日に現物株を持ち越す

ここで優待権利確定月が重要になります。一般的に優待権利確定月の月末(※)が権利日になるので、月末に株を保有して翌日に持ち越せば株主優待を取得できることになります。ということは月末に株を買えばいいかというと、そうではないので注意が必要です。受渡日というのがあって、株を買っても実際に受け渡されるのは買ってから2営業日後だからです。受渡日についてはこちらでも解説しています。

※ 一般的には優待権利確定月の月末が権利日になりますが、ごく稀に15日や20日が権利日になる銘柄もあるので注意してください。


2020年1月カレンダー

2020年1月で例えると(赤色の土日祝日は証券取引所が休みです)、月末の31日に株を保有するには2営業日前の29日に買っておかなければなりません。この29日を権利日と言います。そして29日に買った株を株式市場が閉まる15:00(札証は15:30)に持ち越せば権利を得られます。翌日の30日に売ったとしても権利は得たことになり、この30日を権利落ち日と言います。


2020年3月カレンダー

2020年3月で例えると、月末の31日に株を保有するには同じく2営業日前に買っておかなければなりません。この場合だと土日を挟むので2営業日前は27日になります。よって権利日は27日、権利落ち日は30日になるので注意してください。


2020年2月カレンダー

もし月末が株式市場が休場になる土日祝日だった場合はどうなるでしょうか?2020年2月の例だと、29日が土曜日なので29日に株を持ち越すためには28日までに株をもっている必要があります。なので28日の2営業日前の26日が権利日になります。権利落ちは翌日の27日で、この日に株を売っても権利は得たことになります。



株主優待獲得に必要な株数

100株で株主権利が得られる銘柄でも、株主優待を得る条件が100株であるとは限りません。何株取得すれば株主優待がもらえるのか条件をチェックしましょう。また保有する株数によって株主優待がグレードアップすることもあります。


100株から獲得でき、株数でグレードアップする例
インテージホールディングス(4326)の株主優待

インテージホールディングス(4326)では100株から株主優待をもらうことができます。株数によって内容はグレードアップします。(2019年9月末権利)


100株からは獲得できず、株数でグレードアップしない例
プレサンスコーポレーション(3254)の株主優待

しかし、プレサンスコーポレーション(3254)では100株から株主優待をもらうことはできず、400株以上が必要になります。株数によって内容は変わらず、400株以上の株主には全て一律になります。(2020年3月末権利)



株主優待獲得に必要な保有期間

多くの株主優待は権利日を一回またいで保有すれば獲得できますが、さらに保有期間が1年以上などの長期保有が必要な場合も多くなっています。この1年以上というのは例えば半年ごとに権利が発生する銘柄の場合、今年3月末権利を取って、半年後の9月末権利も取って、翌年の3月末権利も取るとやっと保有期間1年となります。

保有期間の考え方

この保有期間が長くなると株主優待の内容がグレードアップする銘柄もあるので、長期投資のさらなる利回りの向上も狙えます。しかし途中で売却したり、貸株の設定などで権利を取りこぼすと保有期間がゼロにリセットされてしまうので注意しましょう。


焼津水産化学工業(2812)の株主優待

焼津水産化学工業(2812)では継続保有1年未満だと優待価格での購入しかできませんが、継続保有1年以上だとカタログより1品もらえます。さらに継続保有5年以上だとカタログより2品にグレードアップします。(2020年3月末権利)



貸株サービスに注意

貸株サービスとは、保有している株を証券会社に貸し出すことで金利を受け取るというサービスになります。貸株サービスは基本的に貸し出している人に株式の名義が移るので、配当金相当額を受け取ることはできても株主権利は得られません。なので株主優待も受け取ることができなくなります。

貸株の設定によっては権利日にだけ自動的に返却してもらうことにより株主優待を受け取ることができる場合もありますが、長期保有の権利まで考慮されているかどうかは分からないので、必ず株主優待を受け取りたい長期保有銘柄などは貸株に出さない方が無難です。




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