初心者のためのネット株入門

株券の受渡日と配当権利

配当金

配当や株主優待を受けるには、その権利日に株を保有していることが条件になります。ただし株を買ったらすぐに株を保有していることにはなりません。では、いつになったら株を受け取れるのでしょうか?

株には受渡日というものがあり、株主権利を得るために大事なところなのでよく理解するようにしましょう。



株券の受渡日

ネット証券で株を買うと画面上では即ポートフォリオに追加され、株を保有しているように見えますが、実際に株券を持っているわけではありません。実際に株券が受け渡されるのは証券取引所の2営業日後と決まっています。このようにネット証券で株を買った日を約定日(やくじょうび)、実際に株券が受け渡される日を受渡日(うけわたしび)といいます。

受渡日の変更
2019年7月16日の取引から受渡日は3営業日後から2営業日後に変更になりました。ちなみに2009年11月以前は4営業日後でした。


2020年3月カレンダー

2020年3月で例えると(赤色がついた日は証券取引所が休日の日です)、約定日が3月3日なら受渡日は3月5日、約定日が3月19日なら祝日・土・日の三連休をはさんでいるために受渡日は3月24日になります。なぜ2営業日後なんていう時間が必要かというと、以前は本当に株券と資金の交換をしていたわけで、日数が必要だったという過去の流れを引き継いでいるだけだそうです。現在ではそんなに時間が必要ではないですがシステム変更の手間があるため、そのままになっているようです。


注意しなくてはならないのは株を売却した場合にも同じことが言えるということです。株を売却すると買付余力には即時反映されていますが、実際の支払いは2営業日後になります。つまり2営業日後でないと証券口座から現金の引き出しはできないので注意してください(現金を引き出すことはできませんが株を買うことはできます)。


株は買ったらすぐ売れるの?

株券の受渡日は2営業日後ですが、2営業日後でないと買った株を売れないということではありません。株を買うと2営業日後には株券があるということは分かっているので、それを前提に買ったらすぐに売ることが可能です。そして株を売ったお金はすぐに買付余力に反映され、株を買うことができます。しかし、前述のとおり証券口座から現金の引き出しに関しては2営業日後でないとできません。



配当権利や優待権利を得るには

配当や優待の権利を得るためには、その権利日に株券を持っていることが必要になります。つまり株券の受渡日を考慮して、権利日の2営業日前に株を持っていることが必要です。


2020年3月カレンダー

2020年3月で例えると(赤色がついた日は証券取引所が休日の日です)、権利日が3月31日だとするとその2営業日前、3月27日の大引けに株を持っていることが権利を得る条件になります。そのような権利が得られる3月27日を権利付最終売買日、そして次の営業日である3月30日を権利落ち日といいます。権利付最終売買日に株を持ち越して、すぐさま権利落ち日に売っても配当や株主優待を得る権利は確定しますが、権利日が過ぎた株は「権利落ち」と言って理論上は配当分プラス株主優待分の株価が下がることになります。権利落ちでは思った以上に株価が下がることもあるので、権利付最終売買日と権利落ち日については意識しておくようにしましょう。


2020年2月カレンダー

また、権利日が証券取引所の休日にあたる場合には、その直近の営業日に株の受渡しが済んでいる必要があります。2020年2月を例にすると、2月29日は休日なのでその直近の営業日である2月28日に株を持っている必要があります。つまり権利日は2月28日の2営業日前である2月26日となることに注意してください。




inserted by FC2 system